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アルビレックス新潟と新潟のあれこれ


by joehenderzone
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<   2007年 11月 ( 11 )   > この月の画像一覧

The One in My Pocket

 じゅん子はブランコを漕ぎながら昨晩のことを思い出していた。
「じゅんちゃん、ごめんね。ママ明日急なお仕事ができちゃって」
「えぇ? うそでしょ? じゃあ私の誕生日パーティーは?」
「ごめんなさいね。お友達にはママがちゃんと連絡して、謝ってあげるから」
「そんなのやだー」
ママの足に纏わり付いて、園児のように地団駄を踏んだ。
「パパは?パパは帰ってこないの?」
「パパは夜遅くにしか帰って来れないって」
「そんなのひどい、そんなのひどい。せっかく楽しみにしていたのにー」
そして今朝、目を赤く腫らしたじゅん子はママとはひと言も口をきかずに学校へ向ったのだった。
貯金箱の蓋を開けて、ありったけのお金をポケットに入れて。

 東京に『たんしんふにん』しているパパは、いつもは土曜のお昼に帰ってくる。
『かいごへるぱー』のママも土曜日はお休みのなのに。
だから誕生日が土曜日に重なる今年こそは、お友達をよんでパーティーをしようと思ったのに今日に限って、今日に限って、急なお仕事だなんて。
「もう家出よ!」
チャイムが鳴ったら、駅に行って電車に乗って、隣町まで行って噂のとろけるケーキを買って、海の見える公園に行って、それから、それから。
こうしてじゅん子は、学校帰りのその足で、隣町の海を臨む高台にある公園へひとり向かったのであった。
夏休みに家族3人で出掛けたその公園へ。

 空が蜜柑色に染まって急に風が吹き始めた。
じゅん子はブランコを漕ぐのを止めた。
背中のランドセルを開けて、友達から貰ったプレゼントのリボンをほどいてみる。
ハルコからは、“たらこキューピー”のストラップ。
「てか、あたしケイタイ持ってないし」
ひろみは、ビーズで彩られたヘアバンドか。
「てか、私の髪の毛ショートだから」
やっちゃんからは、キラキラのリップクリーム。
「あーあ、食べ物はないの?食べ物は?」
そう呟きながら冷たくなった手をポケットに突っ込んだけれども、冷えた金属片が指に触れただけだった。

 「はい、おじょうちゃん」
ぬっと薄汚れた手が、突然にじゅん子の背後から現れた。
振り返るとボロ布を纏ったような、おじいさんが立っていた。
飴玉を差し出している、その手は微かに震えていた。
そんな手元から視線を逸らすと、薄暗闇の向こうの木立が怪物のような影になっていた。
目が闇に慣れてくると、その繁みの中に、夏の林間学校で泊まったテントのようなシートがうっすらと浮かんで見えた。

 怖くなって駆け出して、電車に乗って、気がついたらいつの間にか家の前にいた。
大きく肩で息をついて、花壇の縁に腰をかけていた。
あめ玉、リップクリーム、ヘアバンド、ストラップ。
次から次へと隣に並べてみた。
わけもわからず、涙があふれ出て頬を伝った。
涙を拭った指先をジャンパーのポケットに入れた。
ハンカチも、ティッシュも見つからなくて、やっぱり冷たい金属の塊が指先に触れた。
「あ、おうちのカギ」
震える唇でそう呟いて、プレゼントの列に並べた。
体はもう、冷凍庫の中のアイスクリームのように固くなっていた。
じゅん子は迷わず鍵を手に取って、ドアノブに手をかけた。

 取っ手はくるりと回り、わけもなく開いた。
コンコンコンコンコン。
包丁が刻むリズムと一緒に、大好きなクリームシチューの匂いが体中に広がった。
目の前には大きな靴も背伸びをして待ち構えていた。




 
「では、わたくしのポケットの中に入れておきま~す」
坂本選手の引いた紙つぶては、司会を務めるアルビレックス新潟の職員の背広のポケットの中に消えた。

 横浜戦後に行われた、首都圏後援会の集い。
その前半戦、総会の前に訪れた坂本、永田両選手への質問に始まり、退席後に行われた中野社長との質疑応答。
それなりの参加人数の中、それなりの質問が飛び交って、それなりの回答が出て、例年とは明らかに趣が異なってはいたが、意外と淡白に会は進んでいった(酒が入っていないため)。
そうして、ようやく乾杯を迎えた後、お楽しみの抽選会。
サイン入りグッズをはじめとして、今年は出席者の1/3に何かしら当たるという大盤振る舞い!と言うか、シーズン終盤在庫一掃セー(以下自粛)。
我々仲間達も、その確立の例に漏れず、当たったり、外れたりに悲喜こもごも。
そんな中、会も終盤、もう諦めかけた某女史はひとり、「こらー!日本酒もってこいやー!」のひとり自棄酒モードに突入。
そんな彼女に構わずに、最後の一品。今日のお宝。先日のFC東京戦使用の試合球の登場!
もちろん、坂本、永田のサイン入り。

 ここで前述の司会者ひと言。
「それでは、本日最後の目玉のプレゼントの当選者が誰になるか?来賓の○○さんに番号を引いていただきましょう!」

おいおい・・・。
最初に坂本が引いただろ。
いくらオレらが酒を煽っていても、そんなこと絶対に忘れませんよ!
オレら酔っ払いの突っ込みに呼応して、会場一斉の大ブーイング。
思い出した司会者氏、おもむろにポケットからしわくちゃになった紙片を取り出した。

「29番!」
手酌モードになりかけていた某女史、やおら目を見開いて、
「あたし!」
かくして、この日一番のお宝は酔っ払いの手に落ちたのでありました。





 さてラストゲーム(前振りなげーよ)。
5位とか、7位以内とか、もうちょっと上位にいけたとか、いろいろあるでしょう。
でも、ちょっと思い出してほしい。
開幕前に祈った願いを。
遡れば、アルビがJ1に昇格した時の開幕戦を。
もっともっと前ならば、J2にいた頃の願いを。
いつの間にか、ポケットには夢や希望で満ち溢れ、時にはこぼれ落ちて文句のひとつも口を突いて出たけれど。
最初に入っていたものは何だったっけ?
最後に残っていて欲しいものは何だろう?
オレは、今年のホーム開幕戦の充足感を思い出す。
久しぶりに目の前で繰り広げられるゲームを。
またここでアルビの試合が見られることの喜びを。
その思いを最後の試合でもかみしめたい。
寒いけど、ちょっとだけポケットから手を出して。
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by joehenderzone | 2007-11-30 00:00 | アルビレックス新潟 | Comments(0)

組み合わせ

 閑話
 
 いまさらなんですが、W杯予選の組み合わせが決まりました。
日本の組み合わせはともかく、1組の組み合わせに愕然。
死のグループとはこのこと。

 いまさらなんですが、EURO2008の予選。
イスラエルがロシアを破り、命拾いしたイングランドでしたが、最終戦で眼前の敵クロアチアに破れ万事休す


 来年はスイス、オーストリア共催のため少々趣が異なるとか。
第一シード(Aポット)には開催国と予選上位国ではなく、開催国と前回のEURO本大会と今回のEURO予選に、2006年W杯欧州予選の成績が加味され、その上位2カ国が選ばれる。
今回のそれは前回優勝のギリシアと、予選にはめっぽう強い(笑)オランダだという。

 こりゃ、シードに入らないほうが有利だな、と考えたのが強豪国。
第一シードのスイス、オーストリア、ギシシヤの方が組みやすし。
Aポットの中で、真の強者はオランダのみ。
かくして、オランダのグループは死のグループになることが必然となりました。
本大会組み合わせ抽選は、今度の日曜日。
W杯より、試合に当り外れがないので予選から本当に楽しめるEURO。
Jリーグ最終節後の虚無感を吹き飛ばす組み合わせが、ぜひ見たい。
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by joehenderzone | 2007-11-27 22:19 | サッカー | Comments(0)
とても眠かったから、思い切って寝た。
8時間。そう8時間。

ナイスゲーム。
そのひと言に尽きた。
勝てなかったのは残念だったけど、選手がスタンドに向かってきた時に心から拍手を送った。
両者共に序盤から、攻守の切り替えが早かった。
とにかくボールがサイドラインを割らない。
そんな中で、特にアルビの選手は前からのプレスが効いていて、それはほぼ終始一貫続いていて、この試合にかける気持ちをピッチ上に表現しているようだった。
オレはその気持ちに重ね合わせて、いつまでも跳ね、声を出し続けられる様な気がした。
河合のラフプレーにエジがキレて、それでもゴール裏からはエジを落ち着かせ、力に変えるようにエジミウソンコールをし続けた。
それを力に変えられなかったのがエジの若さで、力に変えられたのが河合の老獪さであって、それはあたかも新潟と日産の年輪の差であるようにも思えた。
その1点だけが、唯一心に雲をかけたが、これもサッカー、これがサッカーと思えるほどの晴れ晴れしさがあった。
ちょうどこの日の天気のように。

そういえば試合開始前に、布団干したい天気だね、なんて言っていた。
そんなことを覚えていたからではないが、翌日は正午過ぎまで惰眠を貪った。
なんだか、とってもやり遂げたようなそんな気持ちだったから。

この試合に勝てば、7位以内が確定して、5位の道が拓ける。
自分自身気合を入れて臨んだこの日の試合だった。
負けちゃったから、次勝たなきゃ。
ああ、今年もついに残り1試合なんだ。
天皇杯もないから、次がこのメンバーでの最後の試合なんだなあ。
エジはどうなるんだろう。
マルシオは、慎吾は。
そんなことを考えていたら、微睡んできた。
陽が傾いてきて、なんだか悲しい気持ちも手伝って。

目を覚ましたら、J-SPORTで試合をやっていた。
メールでシルビの戦力外を知った。
そんなシルビが試合後に熱くアピールしていた。
シルビに向かって、山瀬功治が自らの頭に人差し指を向けてくるくる回した。
こんなにもいいゲームだったのに力が抜けた。

とっても眠かったので、すぐに寝た。
8時間。
そう8時間しか起きていなかった日曜日。
さあ、ここからどうやって起ち上がろう。
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by joehenderzone | 2007-11-27 00:21 | アルビレックス新潟 | Comments(2)
 「もう一度!」
日曜日に日産スタジアムに行った人にこう声を掛けたなら、少なくともオレが後ろからそう声を掛けられたら、たとえ見知らぬ人であっても、即答するだろう。
「AS ONE!」と。

 “もう一度 AS ONE”
試合開始3時間前に入場して、徹底的に刷り込まれたフレーズ。
傾斜が緩いために後方に陣取ったその上の屋根に釣り下がっているモニターに、横浜FCの選手が次々に映し出される。
選手はひと言ふた言メッセージを発しては、最後に必ずこう付け加える。
「もう一度 AS ONE!」
でも、その収録映像で選手が喋っている時に、上空を飛行機かヘリが通過していて何も聞こえないつーの。

 そんな選手コメント合間を縫って、スタジアムリポーターの3人組(ボケ担当=小太り・突っ込み担当=ノッポ・お姉ちゃん=舞ちゃん)が入場ゲートから順番にレポートを始める。
リポートによると、どうやらコンコースでは、クラブメンバー(後援会)の新規入会・更新やフリーマーケットが行われている模様。
どうりで、スタンド内の横浜FCサポが少ないはず。
暇に任せて、リポートを眺めていると、新規入会・更新をした人には特別なグッズが贈呈されるという。
果たしてそのグッズは!

・・・非売品レジャーシートって。
気を取り直して、フェイスペイントブースの女の子の直撃レポを見る。
ペイントされているのは横浜FCに色もエンブレムも何も縁のない絵柄・・・。
興味本位でフリーマーケットのコーナーを凝視すると、やっと筋金入り、フリューゲルス時代からのサポお父さんが登場。
素さんの人形(?)やフリエの旗などレアグッズを何点かを出品。
でも、お父さんそれ売っちゃって来年はまさか・・・。

 これらのレポートの最後にも必ず小太りが「もう一度!」と言う言葉をかけて、素人に「AS ONE!」って応えさせるんだけど、そのお父さんだか誰だかは、その意図を全く理解していなくて、「もう一度!」という問いかけに対して、「500円!」とか答えちゃって、一人大爆笑でした。
はい。
そんな、様子が練習開始まで2時間強、延々と画面に流されていたわけですよ。
日韓ワールドカップ決勝の会場のオーロラビジョンに。
すっかり洗脳されました。

 さて、試合開始。
いっこうに増えない横浜FCサポ。
先着1000名様になんちゃら~と画面の中では叫んでいたけど、この時点でまだ1000名様に到達しない模様。
スタジアムのキャパの1/10しか入っていないんだから当たり前か・・・
7000人の内訳は、新潟3000。バック1500。メイン1500。横浜FCゴール裏1000といったところか。多く見積もって。
必死なんだけど、イマイチなんだよな・・・
試合もまさにそう。
前半は特にカズをはじめとする前線の選手が強烈にプレスをかけ、バックパスやパスミスを虎視眈々と狙っていた。
右サイドハーフのカタタウは特に動きがよく、サイドを何度か割られたのはもちろん、勝負を仕掛けてエリア内まで進入を許したり、クロスをまんまと上げられた。
しかし決定機を決めきれず、またウッチーをはじめとするDF人が寸でのところで踏ん張り徐々に新潟ペースへ。

 ハーフタイムの感想。
今日は負けないな(でも、簡単なゲームじゃないな・・・)
後半横浜FCは突如ドン引きに。
こちらのボールの時は、ハーフラインを敢えて超えて取りに来ようとしない。
その分バイタルエリア付近まで何度もボールは来るんだけれども、最後の最後で多くて3人で囲んで最後のシュートを打たせない。
時間が進むにつれて、パスを繋ぐより、やや強引にエジ、貴章に放り込むようになる。
ただしこの日は木枯らし一番。
高く上がったボールは定まったところに届かない。
こんな時は深井だよ、深井!
最後まで新潟のスタイルを貫くパスや、深井のドリブルが有効なはず、とお隣の人と力説しあう中、深井登場。
期待通りの活躍で何とか新潟の勝利。

 必死だけど、イマイチ・・・
の横浜FCは「もう一度ひとつになろう」と声高に叫んでいたけれど、こっちだって必死だ。
この日ゴール裏は、練習の時スタメン全員のチャントを歌う勢いで始まった。
(最後に残った千葉と内田のチャントが出るか、と胸膨らんだけど、コールで終わりました)
後半の始まりは「アイシテル ニイガタ」
PKでの得点にもかかわらず、なぜか「けっ散らせ!」
でもそれはサポの誰もが残り3試合の重要性を知ってるからだ。
大事なときにひとつになれる、その強さを新潟は持ってるはずだ。

 「もう一度!」
後ろから見知らぬ人にそう声を掛けられたら、「AS ONE!」と思わず答えるだろう。
でも、その後でこう付け加えたい。
「いつでもAS ONEだ!」
残念ながら、いつでもAS ONEだよ、と胸を張っては言えないかな。
この日の試合のように、最後までひとつになって、とどめを刺せるぐらいの力。
その結束力が、この順位を越えていけるかどうかだと思う。
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by joehenderzone | 2007-11-20 22:49 | アルビレックス新潟 | Comments(2)

老人と暦

 メジャーリーグって150試合ぐらいあるんだっけ?
チームは30チームぐらいあるんだっけか?
まあ、2つのリーグがあって半分だとすると、ちょうどJリーグくらいかもしれないけど、交流戦とかもあるからその組み合わせ方は結構あるよね。
昔、この試合の組み合わせを一組の老夫婦が決めていたという。
とってもアナログな話。

5月12日対清水(日本平)
5月27日対磐田(ヤマハ)
同じ月に同じ静岡。中14日。

8月11日対G大阪(万博)
8月19日対神戸(神戸ユニバ)
関西に2チームしかないのに、中7日。

そして。
11月18日対横浜FC(日産)
11月24日対横浜FM(日産)
中5日で同じスタジアム。

 Jリーグは2011年には年間観客移動員数を1100万人にするというプロジェクトをたちあげている。
2週連続で同じ地域で試合をやれば、アウェイからの客足は遠のくだろう。


 ちなみに先述の老夫婦は一昨年までメジャーリーグ全日程を組んでいたそうだ。
2011年まであと4年。
聡明な老人が出てくることを祈る。
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by joehenderzone | 2007-11-15 23:03 | サッカー | Comments(0)
 バスの降車場から急ぎ足で地下通路を抜けると、聴こえた来たのは意外にも“You never walk alone”の歌声だった。
FC東京サポの人数を推し量りながら、カナールに沿って小走りになる。
“Can't help falling love with you”の声量が勝りはじめたとき、歌声はにわかに止んだ。
この一週間どれだけ多くのサポが胸を痛め、それでも「ひとりじゃないよ」という希望の火を灯し、「愛せずにはいられない」思いを充足させたのだろうか。

 正午過ぎに会社のドアから駆け出して、13時32分発の新幹線に乗り込んだ。
新潟には15時40分にしか着かないことは、予め承知はしていたものの、改札をくぐり抜けたらそれでもキックオフには間に合うのではないかという思いが頭を過ぎり、シャトルバス乗り場まで駆け出した。
でも結局は、傾聴したかった説明会はもちろん、誰にもこの一週間の心の内やこの試合にかける決意を聞く事もなく遠い遠いNゲートに到着した。
その時「アイシテルニイガタ」が響き出した。
オレにはもうそれで十分だった。
みんなの思いも、俺の思いも結実していた。
ここに感極まった。

 来た。見た。勝った。
職場から直行した試合は3連勝。

 来た。見た。勝った。
その瞬間、東京駅で食べたカツカレーがようやく消化され始めた。

 来た。見た。勝った。
そしてブログの更新は、またしても遅かった。
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by joehenderzone | 2007-11-12 23:02 | Comments(6)
 ちびっ子向けのメニューを揃えたり、おまけを用意したり、ハンバーガーショップやファミリーレストランでは、子供を獲得することに躍起になっている。
なぜならば、幼少のときに覚えた味は、生涯忘れ得ない「おふくろの味」になるからだ。
味覚は幼少時に決まるという。
ふと、そんなことを思い出したのは、牛丼屋で隣に座った若いにいちゃんが、牛丼にフレンチドレッシングをたっぷりかけて、紅生姜を一面に敷き詰めて、その上に七味唐辛子をまぶして掻き混ぜて食べ始めたからだった。
う~ん、どんなにお米が美味しくても、その味はわかんないんだろうなぁ。

 パスタを茹でるときに相当量の塩を入れて茹でる。
確か「うるるん・・・」だったと思うが、田中律子がイタリアでパスタ修行をしたときの話。
イタリアのマンマがこう言った。
「海の味はしてますか?」
「きのこの味はしてますか?」
「トマトの味はしてますか?」
「それぞれの素材の味がちゃんとしてますか?」

 新潟は素材が揃っている。
悲しいかな、味付けは少々塩辛い。
しかし幸か不幸か、私は薄味の家庭に育った。
だから素材の味に敏感だ。
出汁の昆布、椎茸の香り。蕎麦そのものの味。ジャガイモやきゅうりに浸み込んだ土の香り。

 明日はJAZZを聞きに行く。
その魅力のひとつは、それぞれの音がちゃんとすることだ。
ピアノ。ギター。ベース。アルトサックス。ドラム。
どの楽器の音色が好きなんだろう、と思うときがあるし、問われるときもある。
ピアノのソロのときはピアノが一番だと思うし、サックスのソロの際はその切ない音色が一番だと思う。
でも各々がそれぞれの個性を持って、かと言って他を殺すことなく音符を紡ぎあげるとき、あのイタリアのマンマの言葉を思い出すのだ。

 もうひとつの魅力は、「2度と同じものはない」ということ。
ビッグバンド時代のように、同じメンバーでバンドを組むことは稀で、時と場所が変わればプレイヤーの組み合わせは変わる。
それでも、彼らはセッション前のわずかな時間で同じ絵を描きだし、演奏の最中にアドリブを効かせて変幻自在に音を楽しんでいく。
ライヴハウスの雰囲気や、温度や湿度、観客のノリや空気を読み取って、時にそれらを取り込んでその場限りの音を作り上げていく。

 ここまで書いて、当然サッカーの話に持っていくわけなんだけど、すごく似てるんだよね。
ずば抜けた選手が一人だけでも、ゲームは成り立たない。
11人で作り出すゲームは、ディフェンダーがいて、ボランチが配給して、フォワードがゴールに向う。
得点シーンではフォワードが最高だと思うけれども、時にボランチが効いていたり、ディフェンダーのひとつのプレーに対して今日一番救われたと感じることもある。
それぞれが個性を持っていて、そしてそれを殺すことなく試合を運んだとき、またしてもパスタの味を思い出す。
いや、味噌汁かな。
お雑煮かもしれない。

 ピッチ上にいる選手の組み合わせは、永遠に続くわけではない。
酷く蒸し暑い日もあれば、雨でボールが走らない日もある。
我々サポも必ずしも同じ場所から声援を送っているわけではない。
それでも、スタジアムの空気はピッチ上の11人(いや22人かな?)と観客の拍手や声援を巻き込んで、二つとして同じもののない試合を作り上げていく。

 そんなことを思うようになったのは、ここ最近のこと。
ある人のライヴに足しげく通うようになってからのこと。
職場の近くのライヴハウスは、この手のライヴハウスにありがちの狭く小さい場所。
客席を挟んで、ステージから対峙する位置に厨房があって、ライヴの最中にもかかわらず、ジュージューと肉が焼け、食欲をそそる匂いが鼻腔をくすぐる。
そんな調理の音や、グラスの中で氷が溶ける音や、時に酔っ払った客の大声までもがメロディに同化して行く。
真面目に聞き入っている人の中には、そういった態度の客に対して眉間にしわを寄せて、たしなめたりもする。
しかし、彼女の歌声はそれを凌駕する。
いつしか客席は静まり返り、身体は自然とリズムを取り、時には涙が頬を伝い、やがて圧倒されて拍手をせずにはいられなくなる。

 デジャヴー。
ああ、ここは小さなビッグスワンだ。
あのガンバ大阪戦を思い出した。
確かに野次を飛ばす奴もいる。酒に酔っ払って試合なんかそっちのけのオヤジもいる。
でも、選手が作り上げたゲームの流れにいつの間にか惹き込まれ、そして手を叩き、声をあげていた。

 音楽もサッカーもずぶの素人だよ。
偉そうには言えないけど、こんな風に思えるようになったのも、何回も通って間近に見聞きしていたからに他ならない。
もしも、いや万が一かもしれないけれど、幼い時にJazzやサッカーのプレイを目の前で見ていたら、ひょっとするとその道を目指していたかもしれない。
なんて、思ったりもする。才能の有無はおいといて。
ライヴほど偉大な教師はいない。

 生でプロのプレイを見れる環境は何事にも代え難い。
新潟のちびっ子は恵まれた環境の中にある。
そう、味覚は幼少の時に決まるがごとく。
新潟の地で、素材の味を知った子供達が、将来の新潟を背負うはずだ。アトムのように。
サッカーも「2度と同じものはない」から、刹那で美しい。
それでも、アルビレックス新潟というクラブは未来永劫に続く。
そのことを我々は十分に理解して、何事にも代え難いライヴ空間を生み出さなければならないよ。 
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by joehenderzone | 2007-11-09 00:15 | アルビレックス新潟 | Comments(2)
 ええ、私もしましたよ。
試合後の大ブーイング。
あんな試合見せられては、黙ってはいられないでしょう。
タイトルを含めた7位以内という目標も達成されないことが明白になりましたから。

 スワンの壁を覆う横断幕も、大旗も早々に片付けられて、いつになく殺気立っていたゴール裏。
私も、わざわざ選手に声が届く最前列近くまで下りてブーイングを浴びせました。
と、同時にこの尋常ならぬ雰囲気の落とし所は何処になるのだろうかと、興味津々であったことも否めなかった。
「監督出て来い!」とか、「社長出てきて説明しろ!」とか、テレビや雑誌で見聞きしたような場面に帰結するのか、と。

 結局、坂本が戻ってきて再び深々と頭を下げて終息に向かうのだが、その隊長の姿に拍手が起きて、確かにその潔い姿に感銘を覚えなくはないが、さっきまで怒号と罵声を浴びせていた人達が掌を返すように拍手をし始めたことに対して興ざめだった。
え?
ここですか?
落とし所?って。
もー、試合も試合後も、もやもやだよ。
うきー。

 例えばブーイング否定論者に問われたとしましょう。
君は90分間声を出し続けましたか?
うーん、ごめん。
90分間跳ね続けましたか?
うーん、ごめん。
選手はそれでも必死にプレイしているんだよ。
うん、うん。
そんな選手には拍手で迎えてあげたい。
うん。うん。
そう、言いくるめられるかもしれない。
それでもサッカーの神様がそんな否定論者に、やっぱり見るに耐えない試合があって、1年に1回だけブーイングをしていいよ(はーと)と仰ったならば、彼は間違いなくブーブーブー太郎になるだろう。
それが先日の試合。
だから、徹底的にブーイングをしても良かったと思う。

 落とし所を誤った。
徹底ブーイングの後、選手がピッチから去った後、ロッカールームに戻った後でこそ、「闘え新潟」を叫んだ方が全ての者に響いたと思う。
後半45分間、「闘え新潟」を終始繰り返した、その延長線上で。
もやもやしたから、落とし所を誤ったから、それを探してバスへ向かってしまったんだろうとも思う。

 はい、私もしましたよ。
試合後の大ブーイング。
小憎らしいくらいに。
だから、自分の落とし所をちゃんと定めましたよ。
ブーイングが終わった後、拍手もできなかったし、声援も掛けられなかった私の落とし所を。
残り4試合、きっちり参戦、がっつり応援させてもらいます。
それが、あの試合をゴール裏で参戦した者の落とし所であり、大ブーイングをした者の責任だと個人的には思うので。
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by joehenderzone | 2007-11-06 22:17 | アルビレックス新潟 | Comments(11)
わしのシャツに『砂岩魂』って書いちょるからに、それ見た新潟のサポば「すな岩鬼。すな岩鬼」と言っちょてたばい。
ドカベンの街じゃちゅうのはわかっちょる。ばってん、岩鬼はなかとよ、岩鬼は。
別んサポば「すないわ魂」言っちょたき、こいで「サガン」読みよるんたい。
覚いときいや。

そがんこと、どうでもいいばい。はるばる新潟ば来たと、新潟のサポ熱い聞いとったき、がばい凄か思ってたばい。ばってん駅も道もスタジアムの近う家にもフラッグかかっちょらんばい。
ばってんビッグスワン言うよるき、大きかスタジアムたい。
新潟名物食べたか~思うてスタジアムん中一周しちょったばい。
ばってん、ラーメン、焼きそば・・・どこでも食えるばい。しかもなご~列作っとたばい。
せっかく新潟来ちょるき、日本酒ば飲まんと、探したたい。
ばってん、どこにもなかと・・・。
腹ぺこぺこぺこばってん、こいがわしらハングリーなJ2やと、30人弱のサポ仲間と大声を出すことに決めたたい。
新潟ゆうたら、サポががばい多きか聞いちょったばってん、すかすかすかだったばい。
メインとか、バックスタンドなんて人おらへんばい。
NIIGATAちゅう文字が見えとるたい。

なんや「ひろし!ひろし!」言うちょるばい。
あいつ知っとーと?
あ?
あんじゃもんは佐賀から来よったや?
お、試合開始たい。
なんぼしよっと!
試合開始直後、ディフェンスラインで横パスしよるき、坂本に奪われて簡単にゴール許してしまったばい!!!
ばってん、これも計算の内たい。
新潟は早い時間で点ば取りよると、気ぃば抜けちょってプレーが雑になるたい。
これはちゃんと計算ずくたい。
ビルドアップの時ファーストチョイスはブラジル人たい。
3人のブラジル人はボール持った瞬間にまず他のブラジル人ば探すばい。
やけん、そのコースを切るか、探してる間に二人や三人で囲めば出し所がなくなって、苦し紛れにパスミスするばい。
そう、そうええ調子たい。
早いプレスが、効いとっと、効いとっと。

良か、良か。セットプレーばい。
うぉー。凄かゴール入ったばい。
なんや、バイシクル気味のボレーがポストの上叩いて、地面ば跳ね返ったボールがネット上部に当たっとー。
凄かゴールばい!!!
良か、良か。
スカウティング言うとったばい。
失点直後の新潟は立ち直れないけん、一気に攻め立てるのが良かばい。
しかも、時間がたっぷりあっても焦りよるけん、冷静にボールを奪ってカウンターたい。
両サイドバックが上がるけん、サイドの裏のスペース狙うばい。
おおー、情報通りたい。
クロスが簡単に上がったばい。
シュートたい!
またゴールばい!!!

お、前半終了から大きかブーイングたい。
そがん大きか声ば出せよるき、最初から大声出せば良かとよ。
あ、アルビ君ば出て来よったばい。
あれ?
三つ子はどうしたや?
やっぱ、5人分の人件費は大きか。
わしらのウイントス君ごと、ひとりで良かとよ。
地に足の着いた経営せんと、前のわしらみとうなるばい。

なんや、新潟のゴール裏は選手出てくる前から「たたかえ新潟」言うとるばい。
あの内容じゃ、ほんに戦え言いたくなるばい。
お、ちょっと新潟の動きば良くなってきたばい。
ばってん、相変わらずエジミウソンにボールば集めるたい。
エジミウソンはボール持つと離さんとっと監督さん言うとったばい。
さっさと囲めばいいばい。
ちょっとしつこくすると、すぐにイライライラするたい。
良か、良か。
良かとプレスたい。
お、バックパスしよったばい。
ボールとっとと。
また、金だ!
打て!
入れ!
うわー、入ったばい!!!
がばいロングかシュートばい。

河原言う選手ば、U-20に出よっと。
おおー、すぐゴール決めよったばい。
新潟の監督ば、若い選手はよ使ってやれば良かとよ。
なんや、動きもサポが声も大きかなってきたばい。
まあ、良か、良か。
焦らせたれや。イライライラするたい。
時間稼ぎばい。

おー、終了たい!
新潟ベストメンバー言うとった、ばってんわしらの方が断然動き良かったと。
新潟4万人の観客言うとった、ばってんたったの9千人たい。
サポがクラブ支えてる聞いとった、ばってんお金払うとこげなもんばい。
スタジアムで何かお土産買おうとおもうとった、ばってん何もないから買わんばい。
せっかく、新潟来よったから酒でも飲んで行きたいばってん、新幹線と飛行機乗り継いで佐賀に帰らんといかんけん、新潟にお金使わんかったばい。
そいぎー。
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by joehenderzone | 2007-11-05 22:01 | アルビレックス新潟 | Comments(8)

だっけ、言ったろ(怒)

ただいま帰ってきました。

幾多の渋滞の波を越えて。

J2新潟VSJ1鳥栖の試合模様は明日以降。

今日はただ、酒呑んで、寝る。
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by joehenderzone | 2007-11-04 22:51 | アルビレックス新潟 | Comments(6)