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アルビレックス新潟と新潟のあれこれ


by joehenderzone
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ヤヌスなヤンツー

古代ローマの神・ヤヌスは、物事の内と外を同時に見ることができたという。この物語は、ヤヌスにもう1つの心を覗かれてしまった少女の壮大なロマンである。もし、あなたに、もう1つ顔があったら・・・。Wikipediaより


大映ドラマ内のナレーションの一説ですね。
懐かしいと感じた人は同世代ですw


新しい監督が決まると、なんだか期待感が大きくなってしまって、ちょちょらになってしまいがちな前監督の評価。
早いものでもう、退任発表から1か月を経過したのですね。
ホーム最終戦から間もなく柳下監督の退任が発表されたのち、会社の人達や、あまりサッカーに詳しくない人々に頻繁に訊ねられました。
監督の交替は良いの?悪いの?
柳下監督って良かったの?

うーん。
良く分からないな。
なんか良い時もあったような、悪い時も多かったような。
今シーズンのゲームが3年半を代弁してるかも。そんな気がします。

勝つ時は、感動的かつ劇的に。
例えば、ホーム柏戦のような逆転劇や、アウェイ松本戦、仙台戦のような終盤での劇的弾。
ナビスコ準決勝ホームガンバ戦のラファエルゴール。
このチーム磨けば凄いんじゃないか?このメンバーをいつまでも見ていたいと思わせるような空気がアルビレックスを包んでいました。

一方、負ける時は、つまらないミスであっさりと。
例えば、ホームFC東京戦や、ナビスコ準決勝ガンバ戦のようにひとつのフリーキックから淡白に。
ホーム仙台戦や、先の湘南戦のように手も足も出なかったりすることさえあった。
このチームどこまで劣化していくんだろう?ザルだよザル。
そんな諦めと閉塞感が漂っていたものでした。


なんかこう。
天と地。
オフェンシブとディフェンシブ。
保守と革新。
穏やかさと激しさ。
決勝トーナメントと残留争い。
みたいな。

そんな2面性があることを感じずにはいられませんでした。
だから、ヤンツーを論じるときに頻繁に耳にする「ブレない」という評価に関して、首を傾げていたのです。




例えば試合内容の2面性
確かに受けて立たないアクションサッカーに変化したのは事実です。
自分達のスタイル。
時にはそれがショートカウンターであったり、ポゼッションであったりしましたが、リアクションサッカーではないという点ではそのスタイルを貫いたとは言えます。
上位に臆することなく対峙するサッカー。
そういった試合をここ数年間で目にすることが多くなりました。

その一方で、引いた相手を崩すためのポゼッションは、ついぞ成功したようにはとうてい思えませんでした。
ドン引きの下位チームに対して勝星を落とすことはもちろんのこと、新潟対策を取ってくる上位チームには、年に2回ある試合のいずれも落としてしまう事態にすら陥りました。




例えば選手に対する姿勢の2面性。
良くも悪くも評判だったのが、試合後のコメントでした。
ある特定の選手を名指しで非難することに対して、個人的には嫌悪感を抱いていました。

よく引き合いにされるのが、プロ野球の野村元監督の例です。
確かにマスコミを通じて選手の耳に届けるという役割はあったかもしれません。
そして1対1の責任を頻繁に強調していたヤンツーさんでしたから、個人の責任に強く言及されたのかもしれません。
しかしサッカーはチームプレイ。
その当該の選手だけが原因ではなく、そこに至る遠因があるわけですよね。
それを指摘して、練習で修正するのが監督の役割なのではないでしょうか?

どうしても引き合いに出してしまうのが、「オレが、オレがという選手がいる」という発言です。
彼の心が強くなかったと言ってしまえばそれまでですが、それ以来、萎縮してしまって、本来のプレーが影を潜めてしまいました。
そしてこの辺から、なんだかチームの方向が変わってきてしまったと感じたのは私だけではないはずです。

そうかと思えば選手の間からは、特に若手選手の中からは、監督が理想とするサッカーを目指したいとか、やってるサッカーには間違えがない、というような監督を慕うコメントが多くみられました。
さらに付け加えたいのは、怪我をした選手を無理して使わずに、きちんと治るまで、試合はもちろんのことベンチ入りまでも控えさせていましたよね。
結果的にそれは(特に今シーズンなどは)低迷の原因にはなりましたが、かつての監督達が、少し痛むぐらいの選手達を無理して試合に出していた時代と比べると、丁重にケアしていたように思われます。
このように、選手サイドに立っていたことも慕われていた要因かもしれません。




戦術と選手の組み合わせに関しても2面性を感じずにはいられませんでした。

選手ありきの戦術だったのだろうか?
レオシルバがいたからこそ、あのサッカーになったのでしょうか。

それとも戦術ありきだったのでしょうか?
ケンゴや菊池など、自分の戦術に合わない選手を弾き出していたようにも感じました。

ヤンツーの代名詞ともいえるマンツーマンディフェンスは、なんだったのだろうか?
左SBのコルテースがマークする相手を右サイドまで執拗に追いまわしていたこともありました。
佐藤優平はとこアルDXで語っていました。
「移籍当初は、どこまでマークの相手について行けば良いか戸惑った。ついて行くことで真ん中のスペースを空けて良いのか?」と。
それでも、監督はこの戦術を最後まで貫き通しましたよね。

その一方で、攻撃はどうだったでしょうか?
ハイプレスとショートカウンター。
結果の出ていたこの戦術をうっちゃって、ポゼッションへのブラッシュアップ。
選手に原因があるかもしれませんが、前からの執拗なプレスはいつの間にか緩くなり、いつしか「お坊ちゃんサッカー」と揶揄される泥臭くないサッカーへ変貌してしまいました。
攻撃面では良い所を貫き通せずに、むしろ劣化していくようにも感じられたのです。



あくまでも個人的な見解ですが、2012年に奇跡の残留を果たした後、石川直樹と鈴木大輔というクレバーなCBの2人が抜けたことが大きかったのではないかと推察します。

後ろが不安だから、前からのチェイスを厳しく行ってショートカウンター。
究極を目指せばボールを保持していれさえすれば、相手の攻撃は受けないわけだから、目指すはポゼッションサッカー。
でもって、そんな不安な中、来日したのが対人に無類の強さをみせるレオシルバ。
だったらレオシルバを防波堤に、最後はとにかく1対1に負けないサッカーを。
極論を言えば、シュート打たせなきゃいいんだから。


総括会見では、そんなことをほのめかしています。

てか、レオのこと 「下手だった」って言ってるしw
うーん。
よくわからん。




柳下正明監督。
気軽にヤンツー、ヤンツーと呼び、親しみある監督ではありました。

古代ローマ神話の神、ヤヌス。
出入り口と扉の神。

新潟の監督、ヤンツー。
残留と躍進。
これに関しては、感謝の他にはありません。

前後に二つの顔を持つ神、ヤヌス。

アルビレックスの前監督、ヤンツー。
前進したのか?後退したのか?
始まりなのか?終わりなのか?

1年の終わりと始まりに位置し、1月を司る神、ヤヌス。
1月1日生まれ、柳下正明。

好きであろうと、嫌いであろうと。
1月1日の舞台でカップを掲げる!
共にタイトルを目指す、そんな夢が潰えたことは心残りではあります。








追記:12/12(土)17:00~
FM PORT アルビフリークライブJ 特別編 ~柳下正明 ベンチでの闘い~
オンエアです!

謎が解けるかもw
by joehenderzone | 2015-12-11 20:36 | アルビレックス新潟